重要度:★★☆☆☆
こんばんうかるー!
昨日はホテル泊でした。いま六本木のアパホテルって一泊2,750円とかなんですね・・・安すぎて、帰り遅くなったら泊まっちゃえばよくない?状態になってしまっています。
司法試験のベテラン受験生あるある
今日は、司法試験のベテラン受験生アルアルをご紹介します。
それは、
え?伊藤塾ってテキスト間違いばかりだし、添削も間違いばかりだから気を付けて!
という謎の助言です。
私が予備試験を目指し始めて伊藤塾に入り、法学部出身でもないので右往左往しているときにも、このように教えてくるベテラン受験生が複数いました。
まじで余計なお世話です。
変に上から目線で言われると、信じてしまう初学者も多いと思います。
今日は、この「伊藤塾間違ってるよね」と教えてくるベテラン受験生について、それがいかに愚かかを解説します。
なお、私は資格スクエアで勉強法の講師をしていますが、予備試験・司法試験ともに伊藤塾オンリー受験生でした。
この記事は、伊藤塾を落とす意味でも、上げる意味でもありません。
「伊藤塾を批判している受験生」を批判する意味の記事になります。
予備校はぶっちゃけどこでもいいです。
伊藤塾批判をする受験生の主張
さて、伊藤塾批判をする受験生から耳にタコができるほど聞く言い分は以下のような感じです。
- テキストが間違っている。
基本書にはこう書いてあるのに、伊藤塾はこんなことを書いてある。ローの教授もこれはおかしいと言っていた。 - 学説が古い。
いまだに〇〇説なんて採っている。いまどきの最新学説は✕✕説だ。ローではバカにされている。 - 答練の採点がおかしい。
自分は合っていることを書いているのに低い点数をつけられた。ローの教授もこの採点はおかしいと言っている。
うん、本当によく聞く批判です。
いずれもやたらと自分の正当性を示すかのように「ローの教授」を出してくるんですよね。
これらについて反論していきましょう。
伊藤塾批判に対する反論
①テキストが間違っている
まずテキストが間違っているという反論について。
これに対する反論はずばり、、、
世の中に完全に合っているテキストなんてない
です。
そもそも、法律という学問では正解/不正解の判定などできない部分も多いです。
ある判例の解釈についても、Aという学者が言うこととBという学者が言うことは全く別だったりします。
単なる誤植というのはそりゃ少ない方がいいですが、誤植の域を超えて「絶対間違っている」というのはそのような判断自体が難しいです。
仮に「絶対間違っている」部分があっても、それはどのテキストでも同じです。
世の中に完全に合っているテキストなんてありません。
どのテキストにも必ず誤りはあります。
「絶対に間違っている」部分ばかりだとそれはだめですが、少なくとも伊藤塾のテキストは「絶対間違っている」部分なんて多くはありません。
②学説が古い
次に、学説が古いという批判。
たしかに伊藤塾には「伊藤塾説」という学説が存在し、判例とは異なった立場で書きましょうと指導されることはあります。
この批判に対する回答は、
考え方の違い
です。
伊藤塾としては、人権を守る弁護士としての立場からはこの学説がいいでしょう、とか、試験時間を考えればこちらの説で書いてしまいましょう、という理由で判例の説を取らないことがあります。
司法試験や予備試験上は(一応)どの学説で論文を書いても点数はくることになっていますので、この批判は的を射ていません。
どうしても気に食わない学説があるのであれば、そこだけ自己責任で変えればいい話です。
③答練の採点がおかしい
論文答練の採点がおかしい、という批判も本当によく聞きます。
「この説で書いたのに、採点者はこの説を知らなかったみたいで点が来なかった!」という受験生の悲鳴はちょくちょく聞こえてきます。
この批判に対する反論は、
採点者に期待しすぎ
です。
伊藤塾の答練の採点は、司法試験合格者がやってはいますが、所詮「司法試験合格者」です。
全然専門家でもありません、単なる合格者です。順位もバラバラです。
答練の採点に対して納得できない部分は私も経験したことがもちろんありますが、「あーそうなんだ、そういう採点になるんだ」と、適当に受け流していました。
答練の採点に絶対的な期待をしない方がいいです。
あくまで一合格者はこう捉える、という程度に考えましょう。
考え方を変えるべき
「伊藤塾って間違ってるよね」という方には以上のような反論になります。
そして、「伊藤塾って間違ってるよね」批判をする方には以下のことを言いたいです。
実績をみるべき
まずは予備校の実績をみるべきです。
最近の実績はよく知りませんが、少し前までは伊藤塾は司法試験予備校TOP3くらいに入っていたことは間違いありません。
そういう実績のある予備校については、つべこべ言わずについていった方が速く合格できます。
多少の間違いはあっても、「この教材でみんな受かってるんだ」と考えることです。
細かいことは置いておきましょう。大きい視点で見れば影響ないです。
合格できればいい
受験生の目標、それは合格することです。
実務家登用試験である以上、試験に受かりさえすればいいですし、逆に試験に受からなければ意味はありません。
どの説がいいのか、とかは実務に出てから考えればOKです。
学者登用試験ではない以上、「正解」に固執する必要はありません。
たとえ最新の学説からすればずれていても、合格できればいいのです。
ローの教授を神格化するな
上記①②③のいずれの批判も、大体は「ローの教授が言ってた」みたいな正当化をしてきます。
でも、ローの教授を神格化しすぎるのはやめましょう。
私はローに行っていないのでわかっていないのかもしれませんが、ローの教授も所詮人間です。神ではありません。
ローの教授としてはしっかり学問を学び、しっかり司法試験に合格してほしいと思う人も多いと思います。
でも、しっかり学問を学ぶ以上に大事なのは、しっかり試験に合格することです。
ローの教授が言っていたから正しい、というのは、「知識的」には正しいかもしれません。
でも「試験的」には正しいと言えるかはよくわかりません。
ローの教授が言えばそれが正しい、という訳ではないので注意しましょう。
おわりに
今日は、伊藤塾批判の愚として、伊藤塾批判をする人について反論をしました。
ぶっちゃけ、伊藤塾批判をする人はベテラン勢が多いです。
それは、伊藤塾とかは関係なく、正解を求めすぎるような姿勢が問題なのだと思います。
予備校の批判をしていないで、予備校の実績を信じて妄信する。
そっちの方が合格率はグンとあがります。
伊藤塾批判を聞いても、「へーそうなんですね」くらいで流しましょう。
ほなまた!
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概ね同意です。学部時代に先輩から伊藤塾の間違いに気づけたら合格は近いなどと言われ、色々と横道に逸れかけたこともありましたが、2桁で受かってみて思うのは(すみません、マウンティングではありません。)、そして実務家になって思うのは、伊藤塾のテキストに明確に間違いと言い切れる間違いは実はほとんどなく、受験との関係で致命的な間違いはおそらくない(あった場合には訂正されている)ということです。そんな些細なことを気にして独学に走るよりは、合格の確実性を重視して予備校に通った方が合理的ですよね。