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【資格】IPO実務検定試験の難易度、勉強方法【標準・上級】

重要度:★★☆☆☆

こんばんうかるー!
妻と子と、妻のご両親で箱根の温泉に行ってまいりました。たぶん今まで生きてきた中での一番の高級旅館。すごかった・・・!

IPO実務検定試験の難易度、勉強方法

今日は、司法試験や予備試験、会計士試験とは違うのですが、「IPO実務検定試験」というものの攻略法について解説していきます。

私は、2019年春にIPO実務検定試験の「標準」、冬には「上級」にいずれも一発で合格しました。

弁護士や公認会計士と相性のいい資格で、最近人気になっている資格の一つですので、気になる方はご覧くださいませ。

IPO実務検定試験て何?

まずIPO実務検定試験て何?という方も多いと思うので、試験内容について。

IPOとは?

そもそもIPOって何?という方もいると思います。

★IPOとは・・・
Initial Public Offeringの略で、株式公開のこと

要は会社が株式を上場させる(上場会社になる)ことです。
まったく経済について知らない方だと、「会社って全部上場しているんじゃないの?」などと考えていたりしますが、上場会社というのは本当にごくごくわずかです。
上場会社というのは日本にある全会社の1%にも全然達していません。

有名な例えで「日本の上場企業は1%未満だが、日本の資本の99%は上場会社が占めている」という言葉があります。
つまり、上場会社というのは少ないにもかかわらず、とにかく大きい会社が多い、ということです。

会社を上場するためには証券取引所の上場審査を通過する必要があるのですが、その手続や要件について学ぶことができるのが「IPO実務検定試験」です。

国家資格ではない?

IPO実務検定試験は、国家資格ではありません。民間資格です。

具体的には、IPO実務検定協会という協会が主催しています。

公式HPは⇒こちら

ちなみに、似たような試験で「IPO・内部統制実務士」という試験がありますが、別物の試験です。
深い理由はないのですが、知人の会計士の方がIPO実務検定試験を受けていたので、私はそちらを受けました。
IPO・内部統制実務士の方は全く内容も知りません。

以下の記事でも、IPO実務検定試験についての記事になりますのでご留意ください。

IPO実務検定試験の合格率は?

さて気になるIPO実務検定試験の合格率ですが、協会から以下のように公表されています。

IPO実務検定試験はCBT試験であるため、受験者数、合格率は日々変動しておりますが、これまで既に7,000人を超える方が受験し、標準レベル、上級レベルとも合格率は60%程度で推移しています。

専門的な内容の試験ではありますが、しっかり勉強していただけば、十分に合格が見込める試験であると言えます。
出典:IPO実務検定協会HP「受験者動向」

標準レベル・上級レベルともに60%程度とのことですね。

まったくのド素人の方は手を出さない資格といえますので、そこそこの難易度といえるかと思います。

IPO実務検定試験の受験資格は?

受験資格は以下になります。

  • 標準レベル試験:無し
  • 上級レベル試験:(1)標準レベル試験の合格、あるいは、(2)上場準備の実務経験が3年以上あること

標準レベルは誰でも受けることができますが、上級レベルは標準レベル合格or上場準備の実務経験が3年以上ある必要があります。
3年は結構長いので、大体は標準レベルを受けてからになりますでしょうか。

その他の試験制度?

IPO実務検定試験のその他の試験制度は協会の公式HPをご覧ください。
その他の情報をざっくりまとめると以下のような感じです。

  • 受験料がやや高い。標準は12,540円、上級は20.900円。
  • CBT方式。いつでも試験会場に行けばPCで受けられる。
  • 合格すると、登録すればIPO関連の人材バンク的なものに登録できたり、IPOに関連する研修を受けたりすることができる(月会費1,425円)。

いろいろ考えた結果、IPOってやはり弁護士と会計士の両分野が活きる分野だよね!と思い、私は受験しました。

IPO実務検定試験【標準】の勉強方法

では、IPO実務検定試験の勉強方法について解説していきます。
まずは【標準】レベルから。

jijiの勉強時間

まずjijiはIPO実務検定試験【標準レベル】に一発で合格しましたが、勉強時間はずばり「3時間」くらいです。
これは、私が既に弁護士、かつ公認会計士であるため、大丈夫だったという結果論です。

法律分野と会計分野が40%、40%くらい、またIPO特有の知識が20%くらいというイメージですので、弁護士or会計士の方はもう少し時間がかかると思います。
イメージとしては、弁護士or会計士の方は50時間くらいはかかる気がします。

弁護士でも会計士でもない方は、100~300時間くらいはかかるかな、という印象です。

jijiがやったこと

私が使ったのは以下の教材のみです。

①公式テキスト


②公式問題集



こういった民間試験については、「公式テキスト」や「公式問題集」というものが存在する場合があります。
そういうときは、「公式」のものを使うのが間違いなく一番効率的です。
だって、公式に「この教材を使えば合格するやで」と言ってくれているのですから。

IPO実務検定【標準】では、公式問題集がとにかく分厚いので、基本的には以下の手順で問題集を一周しました。

  1. 公式問題集の【標準】と書いてあるものを先に解き
  2. 答え合わせをし
  3. わからなかったところは公式テキストを見る

これだけです。
上で書いた通り、私は法律知識と会計知識はあったので、これで合格できました。
合計3時間程度。

実際に【標準】を受けてみた感想

3時間という、かなり舐めてかかったIPO実務検定【標準】ですが、受け終わった直後の感想は以下です。

想像以上にはるかにムズイ( ゚Д゚)

結果的に合格したのでよかったのですが、受け終わった直後の感想は「ムズイ」でした。

理由は、「個数問題が多い」こと。

【標準】レベルは、すべて択一式の試験なのですが、自分が数えたところ60問中32問が「個数問題」(正しいものの個数を選べ/誤っているものの個数を選べ)という出題形式でした。

個数問題って嫌ですよね、1つでもわからないと不正解になる可能性があるのが個数問題です。

「こんなにも個数問題が多いのか!」と感じたのを覚えています。

なので、標準レベルでも気を抜きすぎないこと。
これが私からのアドバイスです。

IPO実務検定試験【上級】の勉強方法

続いて【上級】レベルです。

jijiの勉強時間

さて上級レベルについても一発合格をしたのですが、jijiの勉強時間は約7時間です。

実はこれはかなり想定外でして、もっと勉強をするはずでした。

というのも、仕事が忙しくなかなか勉強ができないので試験延期をしようとしたのですが、試験前日になって延期しようとしたところ、「前日での延期はできません」とのことで、相当焦りました。

前日に7時間ほど勉強をし、付け焼刃で挑みました。

jijiがやったこと

私が使ったのは以下の教材のみです。そう、【標準】レベルと同じ教材です。

①公式テキスト


②公式問題集



この公式テキストと公式問題集は【標準】レベルと【上級】レベルのどちらも対応できる仕様になっていますので、こちらをそのまま使ってしまって大丈夫です。
テキストにも問題集にも、【標準】の試験範囲なのか、【上級】の試験範囲なのかが明記されているのがうれしいところです。

IPO実務検定【上級】では、以下で勉強をしました。

  1. 公式問題集の全部(標準+上級)を先に解き
  2. 答え合わせをし
  3. わからなかったところは公式テキストを見て
  4. 最後に時間が許す限り公式テキストを読む

上級まで解く範囲が広げ、④のテキストの通読が加わった点が【標準】との違いです。

おそらく問題集を解くのに4時間程度+テキスト通読に3時間程度=合計7時間程度です。

なお、上でも書きましたが、これは想定外の勉強時間です。
キャンセル手続ができるのであればもう少し勉強して挑んでいたはずですが、キャンセルができなかったため一夜漬けでやった結果です。

実際に【上級】を受けてみた感想

7時間という、かなり焦って挑んだIPO実務検定【上級】ですが、受け終わった直後の感想は以下です。

絶対落ちた・・・( ゚Д゚)

人生で初めて、「これは絶対落ちた」と思った試験です。

IPO実務検定【上級】は、ⅰ択一式のみならずⅱ記述式(といってもパソコンで打つ方法の記述式)に分かれます。

ⅰ選択式については、できは悪いながらも、まぁ乗り切れたかなという感覚でした。

しかしⅱ記述式!これは舐めてはいけなかった。。
正直、受けた瞬間に「落ちた」と確信しました。

問題の解答も全くわからないことに加え、とにかく時間もなかった。
一応全部何かしら書きましたが、実質的に途中答案みたいな回答ばかりだったと記憶しています。

しかし結果としては合格。
あの記述式でなぜ合格したのかはいまでもよくわかりません。
「もしかしたら協会の会員を増やすためにかなり採点を甘くしているのか?」とさえ思ってしまうくらい、謎です。

もう一つの公式書籍

なお、IPO実務検定試験については以下の公式テキスト?公式問題集?もあります。


私はこれを使っていませんので中身も知りませんが、これを使えば、もしかしたら【上級】の記述式についても対応できるのかもしれません。
一応紹介だけしました。

おわりに

今日は、IPO実務検定試験について解説してきました。
正直、私は弁護士・公認会計士の資格を持っていますので、この資格はほぼ時間をかけずに取れました。

しかし、実際受けてみると、かなり難しかった印象はあります。
もし受ける方がいるのであれば、しっかりとした対策をすることをおすすめします(受験料も高いので・・・)。

合格すると、月1,425円でかなり良い研修などを受けることができるので、会員登録することがおすすめです。
※なお、本記事執筆時点より最新の問題集等が出版されている可能性がありますので、購入する際は最新版かどうかはご確認願います。

ほなまた!

jijiキュラ
jijiキュラ
IPO実務検定は実務に直結するので面白い!
勉強記事一覧 本ブログの勉強方法の記事を体系的にまとめております。 随時更新していきます。 勉強方法全般 (1)全般...
★書籍情報★

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