重要度:★★★★★★★★★
伝家の宝刀、メモリーツリー
今日はいよいよ、jijiの伝家の宝刀ともいえる勉強法、「メモリーツリー」について紹介します。
私はこの勉強法に出会い、人生が変わりました。写真などもたくさん使ってかなり丁寧に紹介していますし、作成するときにお勧めの文房具なども紹介していますので、是非ご覧くださいませ。
この記事を読めば、メモリーツリーのすべてがわかるはずです。
メモリーツリーとは
- メモリーツリーとは、中央にテーマを書き、そこから放射線状に(蜘蛛の巣状に)書いていくまとめノートの作り方です。
たぶんこんな感じです。かくいう私も正確な定義はよくわかりませんw
「マインドマップ」とほぼ同じだと思いますが、私の中では一応使い分けており、メモリーツリーと呼んでいます。
メモリーツリーの完成形
文字で説明してもよくわからないと思いますので、完成形をお見せしましょう。私が作ったメモリーツリーはこんな感じです。
ちょっと画質が粗くて見えにくいかもしれませんが、なんとなく雰囲気はわかりますでしょうか。
余談ですが、私はメモリーツリーが好きすぎて、「これって芸術的じゃね?」と考え個展(jiji展)まで開いたことすらあります。それくらい大好きな勉強法です。
メモリーツリーの実績
私はメモリーツリーと出会って人生が変わりました。具体的には以下のような実績があります。
- 公認会計士試験受験時代にメモリーツリーに出会う
- 一番苦手だった「租税法」についてメモリーツリーを作って苦手科目が得意科目に
- 結果、公認会計士試験に一発合格
- 「メモリーツリー書けば司法試験も合格できるっしょ」と予備試験に参入
- 全科目・全分野をメモリーツリーにして予備試験一発合格
- その後司法試験にも合格
公認会計士試験でメモリーツリーを学び、司法試験にも参入し、いずれも合格できました。司法試験のために作成したメモリーツリーは約250枚。でも、司法試験の範囲すべてを250枚で網羅できるのですから、かなり気が楽になります。
私が各試験に合格できたのは様々な勉強法を取り入れたからにほかなりませんが、メモリーツリーは確実に私の勉強の根幹をなす勉強方法です。
メモリーツリーとの出会い
私がメモリーツリーに出会ったのは公認会計士試験受験生のときです。
当時租税法が苦手だった私は色々勉強法を探していたのですが、その時この本でメモリーツリーに出会いました。
そう、三田紀房先生著の「ドラゴン桜」。知っている方も多いと思いますが、ヤンキー高校生たちにさまざまな勉強方法を教え、東大に合格させる漫画です。
この本は神漫画です。普段私はあまり漫画を読まないのですが、これはすごく熱心に読みました。本当にいろいろな勉強法が紹介されていて、とてつもなく役に立ちます。
メモリーツリーの作り方(写真)
さて、メモリーツリーの作り方を、画像付きでで紹介します。あくまで作り方はひとそれぞれなので、これは私の作り方になりますが。
実は非常に機械的に作っていて、以下の書き方であれば、だれでも必ずメモリーツリーを書くことができます。
Step1:テキストの読み込み
前提として、メモリーツリーは基本的に1章で1枚作ります。
テキストや教科書は基本的に章立てがしっかりしていますよね。なので、1章1枚作っていきます。そうすると、章の数だけメモリーツリーを作れば、そのテキストがすべてメモリーツリーにまとまることになります。
まずはメモリーツリーにすると決めた章をしっかり読み込みます。
章はいくつかの節に分かれていますので、節がいくつあるのか、どの節がボリュームが多いのか、どの節が重要なことがよりたくさん書いてあるのか等、メモリーツリーのどこに配置するかを考えながら何度も何度も読みます。
実はこの過程が最も重要で、メモリーツリーの出来栄えの8割くらいがこれで決まります。大体どこに何を書くのかをここでイメージしておいて、あとは機械的に書いていくことになります。
Step2:章・節を書く
イメージができたら、実際に書いていきます。
まずは大きく今回のテーマを中心に書きます。
上の写真で言うと「手形小切手法総則」という章を紙の中心に書きます。
そして、最初の節「有価証券とは」という部分をその周りに書きます。
ここまでは誰でもできますね?単に章と節を書いただけです。
Step3:本文のキーワードを書く
続いて、節の下に本文中の重要な説明、キーワードを書きます。
節の下に⑴などの更に階層があればそれを書いていきます。
本文中の重要な説明、キーワードは、テキストの赤字・太字部分や講師がマーカーを指示したところです。
完全独学の場合は自分なりに重要なところをみつける必要がありますので、そういった意味でも予備校の講義は何が重要かわかるようになるので効率的です。
ここまでは誰でもできますね?単にマーカー部分を書き写しただけです。
Step4:ひたすら書く
あとは節を増やしていき、その下の本文も増やしていきます。これをひたすら機械的に進めます。
ここで最初の構想が大事になります。全体像が把握できていないと構想がめちゃくちゃになりますので、後の節になればなるほど字が小さくなってしまったりします。
ここまでも誰でもできますね?
Step5:線でつなぐ
一通り書き終わったら線をつなぎます。
Step4までも棒線で知識を繋いで入るのですが、真ん中(章)の方は太く、末端に向かうに連れて細くなるように線を塗ります。こうすることで、知識の「階層」がビジュアルで把握することができる様になります。
ここも誰でもできますね?
Step6:装飾する
最後に、装飾をします。Step5まででメモリーツリー自体は完成しているので、ここからは遊びです。
絵がうまい人は絵を書けばいいですし、私のように絵心がない人は色鉛筆で塗るなどするとよりきれいなメモリーツリーにすることができます。
ここも誰でもできますね?
これで完成です。ほら、誰でも書けるのです。たまに、メモリーツリーを書くような絵心がないという方がいますが、メモリーツリーに絵心は必要ありません。機械的に、章・節・本文を一枚の紙に配置していっているだけです。
メモリーツリーの書き方(タイムラプス)
さてメモリーツリーの書き方を画像で紹介してきましたが、最近メモリーツリーを作る機会があったので、タイムラプスで撮影してみました。
約1.5時間くらいかかっていますが、たったの20秒に圧縮しています。
拡散お願いします…!
私が公認会計試験、司法試験に合格したメモリーツリーという勉強法を広めたいのです…!
タイムラプスで作成過程を撮影しました。
しかし勉強のモチベはもはや高くないです。RTが10を超えたらまたタイムラプスやりたいので拡散お願いします…!#メモリーツリー #タイムラプス pic.twitter.com/WJIN2arZX7— 弁護士公認会計士jijiたん Lv.37 (@jijijilijijiji) May 9, 2020
うん、タイムラプスいい感じ!
速すぎてよくわからないかもしれませんが、なんとなくイメージできたでしょうか。
実はよーーーーく見ると、我が家の猫メイちゃんが2回ほど邪魔しに来てるのが写っていますw
メモリーツリーの書き方(YouTube)
ちなみに、私が勉強法講座
の講師を務め、よく出演させていただいている資格スクエアのYouTubeでも5分ほどでメモリーツリーを実際に書くという解説をしています。写真ではいまいちわかりにくい方は是非。
メモリーツリーの書き方【発展】
メモリーツリーの基本的な書き方は以上のとおりです。
書き慣れてきた方は、以下のように発展させると、より綺麗なメモリーツリーになります。
- テーマを中心からずらして書いてみる
- 絵をかいたり、シールを貼ったりしてみる
- でかでかと真ん中にまとめ表を載せてみる
メモリーツリーはたとえ失敗しても「あの失敗したやつ」という記憶に残ります。様々なデザインを試してみるといいでしょう。
メモリーツリーのメリット
さてメモリーツリーの作り方は理解できたでしょうか?
続いて、なぜメモリーツリーがすごい勉強法なのか、メリットを紹介します。
全体把握
まずはメモリーツリーは全体把握ができること。
メモリーツリーを作るには、上で書いた通りまず「章」を把握します。
そして「章」の中にどのような節があるのかを把握して、全体のバランスを考えに考えて書きます。
勉強においてはどこの話をしているのか把握しながら進めるのが非常に大事です。
細かい論点を勉強していて「結局どこの話だっけ?」という状態(いわゆる迷子状態)になると、勉強してもあまり効果がありません。
どこの章でどのような論点があるのか、メモリーツリーはこれを理解できるます。
階層理解
続いて階層理解。
全体把握と似ていますが、章・節・本文という階層を理解することは迷子状態にならないために非常に重要です。
ある知識とある知識は同じレベル(階層)なのか違うレベル(階層)の話なのか。
メモリーツリーは階層理解に基づき書いていきますので。自然と階層理解ができるようになります。
一元化
そして一元化。一元化は勉強において鉄則です。
ものによりますが、テキストの1章って大体20~30ページくらいあります。
これがたったの1枚にまとまります。自分の場合は司法試験は約250枚に収まりました。とんでもなく範囲が広い司法試験ですが、「250枚だけ」と思えると非常に気が楽ですよね。
脳にやさしい勉強法
メモリーツリーは「脳にやさしい勉強法」などとも言われています。
脳科学者が言うには、人間の脳はテキストやルーズリーフのように「上から下」に記憶していくのではなく、メモリーツリーのように「放射線状」に物事を記憶していくそうです。よくわかりませんが、脳のシナプスの形状が放射線状だそうです。
なので、メモリーツリーは脳にやさしい勉強法なのです。
実際書いてみると、そのメモリーツリーの形がぱっと脳で思い出せます。テキストやルーズリーフのようには思い出せないけど、メモリーツリーだと思い出しやすいです(ただ、細かいところまでは思い出せないです普通)。
楽しい
最後に、書いていて楽しい。
普段の勉強って、講義を聞いて、テキスト読んで、問題解いて、答練を受ける。こういう勉強ですよね。
メモリーツリーはちょっと異色で、見やすいまとめノートを「描く」作業なので、お絵かき気分です。
いくらでも書いていられるような感覚です。
メモリーツリーは以上のようなメリットがあります。いずれも勉強において意識すべき非常に重要なポイントで、非常に効果的な勉強方法です。
メモリーツリーのデメリット
メモリーツリーのデメリットも紹介しておきましょう。デメリットというよりは、注意点という感じです。
時間がかかる
まずは時間がかかること。
かなりのメモリーツリーを書いてきて、メモリーツリー職人を自負する私でも、大体1枚書くのに2~3時間程度かかります。
最初のころは1枚作るのに半日~1日かかることもざらです。全範囲メモリーツリー作るのは途中で挫折する可能性が高いので、苦手分野だけまずは作ってみることをお勧めしています。
「暗記」のツールではない
よく勘違いされるのが、メモリーツリーを書けば「暗記」できると思っている方。
でも違います。メモリーツリーを書いても暗記はできません。細かいところは無理です。
あくまで、メモリーツリーは「理解」のツールです。全体把握、階層理解をするためのツールです。暗記できると思って手を出すと後悔しますのでご注意ください。
あくまでインプット
これもよくある勘違いですが、メモリーツリーを書けば試験に受かると思っている方。
しかしメモリーツリーはあくまでテキストをまとめるもの、いわゆるインプットの勉強です。
試験に合格するにはアウトプットが必要不可欠ですので、しっかりアウトプットを勉強しないと合格できません。
合わない人もいる
どんな勉強法もそうですが、メモリーツリーは合う人と合わない人がはっきり分かれます。
そうですね、ピッタリくる方は10人に1人くらいでしょうか。
でも、この10人中1人は人生を変えるほど劇的に効果的な勉強をすることができる様になります。
なので、是非まずは試してみてください。
メモリーツリーの使い方
さて、書いたメモリーツリーですが、書いて終わりだと効果は薄いです。どのように使うのでしょうか。私の使い方を紹介します。
試験や答練前に確認する
まずは試験や答練前に内容を確認すること。
範囲が決められている確認テストなどの場合は、範囲のメモリーツリーを確認して挑みます。
これが一元化の意義で、試験前に短時間でざっと確認することができます。
毎日歯磨きをしながら眺める
そしてこれはちょっと変わってますが、歯磨き勉。
メモリーツリーを写真に撮り、iPadにいれ、歯磨きをしているときにスライドショーで眺めます。
250枚×3秒=約10分
なんと約10分で毎日、司法試験の全範囲を復習していたことになります。
正直3秒ではあまり脳に残りませんが、「こういう章があった」「ここらへんにこんな表があった」くらいでもいいのです。
頭では認識していなくても、脳は視界に入っていてしっかり認識していたりもします(サブリミナル効果)。
私が使用する文房具
さて最後に、私がメモリーツリー作成にあたって使用している文房具を全部紹介しておきましょう。あくまで参考ですが。
フリクション
まずはもはや有名なフリクション。これがあると書き直しができるため必須の文房具です。
公認会計士試験時代はフリクションがなかったので、シャーペンで下書きして→ボールペンで清書する、という非常に面倒な書き方をしていました。
フリクションが発売され、「フリクションがあればメモリーツリー超効率的に作れるやん!司法試験やるか!」と思ったほどです。
私が使っていた(いまも仕事で使っている)フリクションはこれです。
・4色フリクション(0.5)
・替芯
速い時は一日1本使っていました。一体何本使ったことか・・・。
・サインペンフリクション
章を書くとき、枝を太くするときなどに使います。
A3用紙
続いてA3用紙。
材質などに特にこだわりはありませんが、大きさはA3で統一していました。司法試験とかになると書くことが多いのでA3でもぎりぎりだったりします。
色鉛筆
あと色鉛筆。最後に色鮮やかにするために使います。何色でもいいですが、ある程度数がないと同じような色遣いになってしまいます。
定規
最後に定規。折り畳み式の、延ばすと30cmになる定規を愛用しています。
メモリーツリーにはテキストの表なども要約して書いていくので、定規で書けるところは定規を使った方がきれいに仕上がります。
学びTimesにインタビューしていただきました!
公認会計士から弁護士はなかなか珍しいということもあり、子どもの学びに関する様々な有益な情報提供を行われている「学びTimes」さんにインタビューをしていただきました!(^^)!
メモリーツリーの効果などをわかりやすく解説していますのでよければご覧くださいませ。
⇒【取材記事】効率の良い勉強法は?弁護士・会計士の両方の資格を持つ勉強法のプロに取材しました!
おわりに
今日はメモリーツリーについてかなり気合をいれて書きました。この記事を読めばメモリーツリーのすべてがわかるように徹底的に解説したつもりです。
メモリーツリーが合うか合わないかは人それぞれですが、是非一度試していただきたいと思います。
ほなまた!
①「図解でわかる 試験勉強のすごいコツ」(日本実業出版社、2022)
jiji2冊目の単著が発売されました!
私が各種試験を合格してきて体得した「試験勉強のコツ」を、全て図解付きで50個紹介しています。
私が考える究極の勉強方法を紹介しており、資格試験はもちろん、中高生の受験勉強にもお役立ちできるような内容になっています!
②「司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!」(中央経済社、2019)
jiji初の書籍です。
題名は司法試験・予備試験としていますが、全ての試験に共通する勉強方法が8割程度です。
ブログには敢えて書いていないクリティカルな勉強方法(スイッチバック法、暗記カード作成術、短答過去問加工法、論文完璧答案構成法)はこちらの書籍をご覧ください。
はじめまして!
二児の子育てに燃える母です。
メモリーツリーの書き方を知りたくて検索していて、
平木先生のページに辿り着きました!
そして、メモリーツリーの書き方、そのわかりやすい解説に、感激しました!
勉強法の本も、早速購入手続きを済ませた所です。
子どもたちの、そして私の、未来が輝きに満ちているイメージでいっぱいです。
平木先生との出会いに感謝いたします。
>コアキ様
コメントいただきましてありがとうございます!記事が少しでもお役に立てたのであればうれしいです。
書籍もご購入いただいたようで誠にありがとうございます☆