重要度:★★★☆☆
こんばんうかるー!
仕事でも早起きっていいですね。早く事務所に行くと一日が非常に有意義。今週は可能な限り早く行くようにしよう。
予備試験口述は侮るべからず
さて今日は、予備試験口述のポイントについて解説していきましょう。
まったく予備試験口述の時期じゃないけどねw
なんとなく書きたいから書いていくのです。それでいいのです。
「予備口述はまだ考えなくていいや」と思うかもしれませんが、一度この記事を読んでおいて、何となくイメージをつかんでおいてくれれば嬉しいなと思います。
予備試験口述は、予備試験の中でも「おまけ」のように考えている人も少なくありません。
予備試験の最大の難関は論文式であることは間違いありませんし、予備口述の合格率は90%前後あります。
舐めてかかるのも分からなくはありません。
でも、予備試験口述は侮るべからずです。理由は以下です。
- 合格率90%前後は、あくまで「予備論文合格者」の中での90%。全員相当な実力がある。
- 予備口述で不合格だと、翌年また短答から受けなければならない
- 意外と細かい内容も聞かれる
以上のような理由です。なので、論文合格発表後からでも構わないので、しっかり対策することは必須です。
舐めてかかると容赦なく不合格になります。
予備試験口述で不合格にならないためのポイント【10箇条】
予備口述で押さえるべきポイントを10箇条にして紹介していきましょう。
1.自信を持って臨む
予備口述は、民事実務と刑事実務がありますが、民事的な知識や刑事的な知識もさることながら、態度や振舞い方は非常に重要です。
具体的には、自信をもって、声を張って、しっかり喋ること。
例え間違えていたっていいんです。しっかりコミュニケーションすることができることをアピールします。
これでこそ口述試験です。
ナヨナヨして自信なさそうな人よりも、「〇〇です!」「あ!間違えました!××です!」くらいの方が好印象です。
口述試験は採用面接と同じです。印象は非常に大事です。
2.しゃべりすぎない、聞かれたことにだけ答える
短答や論文、その他もろもろの試験と同様、口述試験も聞かれたことにだけ答える姿勢が大事です。
特に口述は、(これは私の推測ですが)進行に合わせて点数がふられています。
つまり、質問1から順番に質問が用意されていて、質問20までいったらコンプリート、みたいな感じです。そして、質問ごとに点数がふられています。
あまりに知識をひけらかしすぎると、配点のある質問に答えることができません。
なので、聞かれたことには端的に答え、試験官の用意している質問全部答えたろ、くらいのイメージで臨むのがいいです。
3.答える際、目線を主査の方へ向けられているので好印象
これも知識というよりは面接のテクニックのひとつですが、主査をしっかり見ること。
1.の自信を持って臨むのと重複するところはありますが、目をしっかり見て話すのはそれだけで好印象です。
特に、口述式は主査と副査という2名の実務家が試験官になるのですが、主査(質問をリードする役の方)をしっかり見るのが大事です。
4.考査委員のストーリーに乗る試験
口述の問題はストーリーがあります。
民事系では、訴状の記載事項から始まり、訴訟で主張すべき要件事実、反論として考えられる要件事実など、訴訟の流れに沿って質問が組み立てられています。
刑事系では、事案があり、刑法的な罪責の検討があり、起訴不起訴があり、刑事裁判手続の質問に流れていきます。
そうです。予備試験口述は、単なる1問1答ではなく、流れがあります。
そのため、このストーリーを意識し、試験委員が軌道修正をしようと助け船を出してきたときは拒まず、流れに乗ることが大事です。
5.試験委員を論破しない
口述は細かい応用的な知識までは不要です。
口述でも上位を狙うのであれば細かい知識も必要ですが、合格さえすればいいと思うのであれば、基本知識さえしっかり理解を示せればいいです。
やってはいけないのは、試験委員と議論をしてしまうことです。
試験委員と知識比べをするのは絶対NGです。試験委員はあくまで実務家の先生。学者ではありません。
もちろん学説なども深く知っていますが、議論で勝ち論破することが目的の試験ではありません。ディベートとは違います。
入社面接で試験委員を論破ってしないですよね。論破したとしても落ちますよね。
口述試験もそういうことです。
6.マナーを大事に。沈黙しないこと。知らないことは知らないと言うこと。
マナー講義とかまで受ける必要はありませんが、最低限マナーを守る意識を持ちましょう。
まず身だしなみ。当然ですが上下スーツです。
また入室するときはノックして入り「失礼します」ですし、退室するときはドアの前で振り返りお辞儀、そして「失礼しました」です。
変な個性はいりません。(悪い意味で)目立たないように目立たないように、社会人として最低限のマナーを守ります。
入社面接などやったことない方も多いと思います。そこまで気にする必要はないですが、以下の書籍などをチラ見しておけば最低限のマナーは大丈夫かと思います。
こういう社会人のマナー本は、社会に出たときにどうせ読むものなので、一冊は持っておいて損はないところです。
7.試験委員の顔色をみる
試験委員は主査と副査がいますが、両者の顔色をよく観察しながら回答しましょう。
よくみると、試験委員は手元にある採点表みたいなものにメモをしながら質問を聞いていることがわかります。
ちょっと細かい話ですが、「副査が話し始めたら注意」という噂があります。
どういうことかというと、口述は基本的に主査が質問をしてきて、司会進行役を務めます。
何もなければ(順調であれば)主査が話続け、副査は何も話さず終わることすらあります。
逆に、副査がいろいろと口を出してきたらそれはピンチだと思った方がいいです。副査が口を出すのはこんな時です。
副査が口をだすとき
- 間違えた方向に進んでいってしまっているとき
- 当落線上にいて、わかっているかどうかの核心をもちたいとき
- 主査が若手で、もう少ししっかり進めてほしいとき
3つ目はあまり関係ありませんが、上2つはいずれもピンチです。
副査が話をしてきたら、しっかり気持ちを切り替えて、冷静に答えましょう。主査と副査の様子を見ながら、どう思われてるかを把握してこたえることが大事です。
8.「だいたい~条くらいにあった気がします」と答えられれば十分。
いきなり「六法を参照してもいいですか」はNG
ちょっと細かいテクニックですが、口述では六法が机の上においてあって、条文を聞かれることがあります。
「何条ですか?」と直接聞かれることもあります。
聞いてくる条文は重要条文なので普段の勉強で必ず見たことがある条文ですが、条文番号まで即答できない場合もあります。
そういったときは、すぐに「六法を参照していいですか」と聞くのではなく、「だいたい~条くらいにあった気がします」と答えましょう。
いきなり六法を参照すると、全くわかってなくて条文を探すのか、何となくわかっていて条文を見つけにいくのか、試験委員も区別がつきません。
大まかでもいいので、大筋はわかっていることを示すことが大事です。
9.周りが皆緊張している中落ち着いて試験官と会話ができれば確実に合格できる試験
口述試験は皆がむちゃくちゃ緊張します。
口述試験は体育館みたいなところにパイプ椅子に座って順番を待つのですが、さながら処刑台に並んでいる気分です。
皆がむちゃくちゃ緊張しているなか、落ち着いて試験官と会話(法律家的な会話)ができるだけで、確実に合格できます。
最もまずいのはパニックになってしまい何も喋ることができなくなることです。
例え全くわからない質問がきても、無言は絶対だめです。わからないなら「申し訳ありませんわかりません」といえば、ヒントを出してくれますし、たとえそこがわからなくてもそれだけでは不合格にはなりません。
なので、しっかり会話することを意識しましょう。
10.とにかく誘導に乗る。誘導なし→61点、誘導乗れた→60点、誘導乗れず→59点
最後に、私の中で考える口述の合否判定基準を紹介しておきます。
口述は、民事と刑事の2科目があり、合計119点で合格です。おそらく、以下のような基準で採点されています。
- 優秀(5%)→62点
- 良好(25%)→61点
- 普通(40%)→60点
- 不良(25%)→59点
- ダメ(5%)→58点
パーセントは完全にイメージですが、概ね外していないかなと思っています。
2科目とも不良、または1科目がダメでもう1科目で挽回できない場合、合計点は119点未満になり、不合格になる仕組みです。
不良・ダメの合計が30%ですので、どちらも不良以下をとる確率は9%。つまり合格率が90%くらいになる仕組みです(本当かどうかは知りません)。
そして、優秀とダメは例外なので置いておいて、61点・60点・59点の区別は以下のようなイメージです。
- 誘導なし →61点
- 誘導乗れた→60点
- 誘導乗れず→59点
誘導とは、わからないor間違えた受け答えをしているときに、試験委員が出す助け舟(ヒント)です。
この誘導がほぼなく答えられたら61点、誘導に乗って答えにたどり着ければ60点、誘導があっても正解にたどり着けないと59点、というイメージです。
このような判断基準を目安にするとわかりやすいかなと思います。
おわりに
今日は、予備試験口述でのポイントを解説してきました。
私は試験委員ではないので完全に想像ではありますが、不合格だった人や成績優秀だった人の話を聞くと大体こんな感じなのかなと思います。
口述で不合格は非常にもったいないので、是非気を抜かず頑張ってください。
ほなまた!
①「図解でわかる 試験勉強のすごいコツ」(日本実業出版社、2022)
jiji2冊目の単著が発売されました!
私が各種試験を合格してきて体得した「試験勉強のコツ」を、全て図解付きで50個紹介しています。
私が考える究極の勉強方法を紹介しており、資格試験はもちろん、中高生の受験勉強にもお役立ちできるような内容になっています!
②「司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!」(中央経済社、2019)
jiji初の書籍です。
題名は司法試験・予備試験としていますが、全ての試験に共通する勉強方法が8割程度です。
ブログには敢えて書いていないクリティカルな勉強方法(スイッチバック法、暗記カード作成術、短答過去問加工法、論文完璧答案構成法)はこちらの書籍をご覧ください。