重要度:★★★★☆
こんにちうかるー!
いよいよ夏になりましたねー。暑い!
この記事の目的
この記事は、「ITパスポート」という試験を私が受験し、合格したときの勉強方法を紹介するものです。
でも、ITパスポートを受ける方向けの記事というではありません。
ある試験を目指し、勉強を開始し、合格するまでの流れを、ITパスポートを題材に総覧するような記事になります。
ITパスポート以外を目指している方も必ず役に立ちますので、是非ご覧いただけばと思います。
ITパスポートとは
勉強方法に入る前に、「ITパスポートなにそれおいしいの?」という人もいると思うので簡単に試験の説明します。
ITパスポートとは、情報処理に関する入門資格です。昔は「初級シスアド(システムアドミニストレーター)」という試験名だったのでそちらの方が知っている人が多いかもしれません。
ITとはいえ、1/3くらいは経営・会計・法律の基礎的な知識を試すもので、イメージとしては「社会人入門知識」みたいな資格です。ITの分野としては、ソフトとハードの違いから、Wi-Fiの仕組み、システム開発の方法、ウィルスの種類まで、幅広くシステムに関する知識が問われます。
こちらの資格はなんと国家資格。合格すると合格証をもらえるのはもちろん、官報掲載までされます。かなり手軽にとれる国家資格なので、結構お勧めです。もちろん履歴書にも書けます。
jijiの試験結果、勉強時間
試験結果
次に私の試験結果です。
試験は2017年3月26日に都内で受けました。
パソコン上で受ける試験、ICT方式という試験で、採点結果は解いた後すぐわかります。
600/1000点が合格点で、結果は770/1000点で、合格でした。
全くの知識がない状態からのスタートでしたので、まずまずの成績かと思います。
勉強時間
自分はITパスポートの勉強に費やした勉強時間や勉強内容は全てstudyplusという勉強時間記録SNSに記録しました。
ITパスポートに費やした勉強時間は、合計で28時間。
勉強時間の内訳としては以下になります。
- 過去問(3回分)を解いている時間→6時間
- 過去問を復習してる時間→17時間
- 本番前の総復習の時間→3時間
- 本番→2時間
勉強期間としては、およそ1ヶ月でした。
勉強方法
さてここからが本題です。具体的な勉強方法を書きます。自分はどんな資格も同じような手順で勉強していて、概ねどのような試験もこの流れで勉強すれば合格できると思っています。
Step1:試験制度を知る
まずはこれ。敵がどんな奴なのか知っていないと受かる試験も受かりません。
具体的には、やはりネットで調べるのが一番です。多くの試験の場合は公式ホームページがあるので、そちらから試験制度を把握します。
⇒ITパスポート公式HP
また、各種予備校などのHPも参考になりますね。
ITパスポートの試験制度は以下のような内容でした。
- 試験は基本的にいつでもどこでも受けられる
- 試験形式はパソコンを使った全て四択式
- 600/1000点で合格
- ストラテジ、マネジメント、テクノロジという3分野に分かれ、それぞれ30%を下回ると足切り
- 試験時間は2時間
- 受験料は5,700円
これくらいを把握すれば十分です。
Step2:ライバルの設定
意外と重要なのがこれです。試験制度を知って受験の決意ができたら、周りに一緒に受けてくれる人がいないか声をかけます。
今回の場合、司法修習中に受験を決意したのですが、すぐに司法修習生で仲間を募り、結果的に5人で一緒に受けることになりました。
そこまで難易度が高いとはいえない試験の場合、一人で受けると何となくズルズル試験を後にしてしまい、結果的に受けないということもよくあります。
特にICT方式の場合、試験日が確定しているわけではないので(自分で自由に設定できる)、何となく申し込みができないことが多いです。
なので、ライバルの設定は大事。
Step3:参考書・過去問・予備校の選定
試験制度がわかり、ライバルができたら、いよいよ勉強グッズを揃えます。
参考書はとにかくまずは王道にいくべし。
ITパスポートの参考書は、書店に行けばたくさん出ているのがわかります。
一応書店に並んでいる参考書を軽く見ましたが、あまり違いもわからなかったので、素直にAmazonでITパスポート参考書ランキング1位の参考書を購入しました。
選んだ参考書と心中する覚悟で挑むのが大事。どんな試験も無駄に手を広げすぎると落ちます。
自分が受けたときのとは年度が更新されているためちょっと違いますが、私が選んだのは確かこちらでした↑
こちらの参考書は過去問もついててパソコンで実際の試験環境と同じ環境で解けるのも嬉しい。
もし過去問がついていない参考書なら、必ず過去問とその解答・解説をこの段階で手に入れましょう。
なお、ITパスポートについては各種予備校が講座を出していたりしますが、正直独学でいけそうな気がしたので予備校は利用していません。
Step4:過去問を解く
さて参考書を選んだら、いよいろ勉強に入っていきます。
まず最初は、過去問を解く。これがとってもとっても大事。いきなりテキストを読み始めるのはNGです。
「何かの試験勉強」というと、
- まずはテキストなり参考書を読んで、
- ある程度頭に入ったら問題集解いて、
- さらに問題集もある程度解いて直前期に過去問。
という思考が日本人の悪い考え。
逆なのです。とにかく過去問から着手すること。過去問はパラパラ見るのではなく、ちゃんと時間を測って解くこと。
『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』(孫子)という言葉は本当によく言ったもので、試験勉強も同じです。
過去問を最初に解くメリットとしては、
- どのような試験形式かわかる
- どのような内容が問われるかわかる
- 時間配分に気をつけるべき試験か否かわかる
- 自分の今の実力がわかる
などなど、本当にたくさんのメリットがあります。これをせずしてどうやって勉強の道標を作るかというレベルです。
だから、上で書いた典型的な日本人的な発想は早く捨てて過去問を解きましょう。
なお、自分は、初めてITパスポートの過去問を解いた際、全くのノー勉にもかかわらずなんと合格点を超えていました。
どうでもいいですが、なぜ自分が最初から合格点を超えていたのかの原因を自己分析すると、
- 会計と法律の知識は大体解ける(そりゃそうだ)
- 現場思考の問題が結構ある
- 知識問題も、社会人を四年くらい経験してると何となくわかるのがある
ということが原因だと思います。
最初から合格点を超えてしまったのでモチベーションは少し下がりましたが、そもそも合格することが目的というよりITの勉強がしたいと思って始めた試験。しっかり勉強しようと考えました。
Step5:過去問の復習をする
さて、過去問を解いたら、しっかり復習します。
ITパスポートは基本的に過去問で出たものをマスターして挑もうと思っていたので、過去問の復習をかなり厚めにやりました。
過去問解くのに2時間ですが、その復習におよそ6時間かけました。
大事なのはどのように復習するかです。過去問の復習としてやったことは大きく2つです。
①成文法
自分は、過去問を紙で印刷し、そこにオレンジペンで答えを書き込んでいくという方法(「成文法」といいます)を使いました。
成文法はマークシート式の試験で最も効果的かつ効率的な勉強方法と自分が考えている方法で、公認会計士試験・予備試験・司法試験の全ての短答の過去問も成文法で合格しています。
百聞は一見にしかずなので写真をご覧ください。
ITパスポートの過去問で成文化する際に意識していたことは以下です。
- オレンジペンを使う(後に赤シートで隠して回転できるように)
- 間違えた問題は黒で×を付ける(後に間違えたものだけを復習できるように)
- 肢ごとに解説を書く
- 解説は大事なところだけを要約して書く
- 英語の略語などをしっかり書く(ITパスポートの場合特に言葉の意味を問う問題が頻出のため)
択一式の試験には非常に効果的な勉強方法ですので是非試してみてくださいね。
②テキストへの一元化
成文法をやりながら、出てきた用語は逐一テキストにオレンジペンでアンダーラインやら◯やらを書き込みます。
これを数年分やれば、テキストに過去問で問われたところやその頻出度が一目でわかるようになります。
写真はこんな感じ。
ちょっと見にくいけど、オレンジペンでアンダーラインとかを引いています。
テキストへの一元化のポイントは以下です。
- 同じ用語が2回とかでてきたら、2回分アンダーラインする(二重線が引かれるイメージ。これにより何回くらい過去問で問われたのかも視覚的にわかるようになる。)
- 過去問の解説に書いてあって、テキストに書いていないものなどはテキストの余白に書き込んでいく
- オレンジペンでなくてもいいので、とにかくペンの色を統一する(過去問の色とわかるように)
これも、ITパスポートに限らず私がやっていた一元化の方法です。是非試してみてくださいね。
Step6:過去問をエンドレス解く
上のStep4,5のやり方で、時間が許す限り過去問を解き、復習していきます。
自分は3回分でいいかなと何となく感じたので3回分だけやりました。
【参考】
なお、ITパスポートについては、テキストに付いている過去問ソフトではなく、途中からは「ITパスポート過去問道場」というサイトの解説を使っていました。
理由は、上記のテキストには直近であるH28春秋の過去問解説が載っていないからです。iPadで過去問解説の解説ページを見ながら、過去問加工とテキスト一元化をしていきました。
Step7:直前総復習
さて、過去問を3回分解き、上記の要領で復習したら、もう試験前日でした。本来であれば過去問の間違えた肢のみを回転させたいところでしたが、時間的に無理なので総復習へ。
前日及び当日の朝に総復習でやったことは、以下です。
①過去問の全肢を読み込み
成文法で解説を直接書き込んでいるのは、この作業を効率化する目的です。3回分の過去問をおよそ1.5時間で総復習しました。
②テキスト読み込み
これまでは過去問の断片的な知識を習得してきただけですが、ここでやっと体系的に知識を整理します。テキストを、体系(目次)を意識しながら頭から読んでいきます。ただし、全てを読むわけではなく、過去問で問われたところを中心にサクサク読みます。
上記復習時に過去問で出たところをオレンジペンで一元化したのはこの作業を効率化するためです。
テキストは分厚く読み込むのはかなり大変ですが、過去問のところを中心に読むので、かかったのは1時間くらいです。
この時、「あーここ何回も聞かれてるのに覚えられない。本番の直前に見たい。」と思う箇所には付箋を貼っていきます。
③試験前5分のテキスト読み
最後に、試験の本当に直前の数分は、②で貼った付箋の箇所のテキストを読み込みます。どうしても覚えられなかった知識も、こうすれば「さっき見た!」状態になるので、本番で出ても大丈夫です。
Step8:本試験受験
Step1〜7を終え、準備万端で試験に挑みます。
ITパスポートは試験本番は時間に余裕がある試験なので、本番で気をつけることは特にありません。
強いていうなら、しっかり見直しをしてから終わること、くらいです。
ITパスポートは自信のない問題に目印をつけることができるので、その機能を使ってしっかり見直しをしましょう。
おわりに
以上が、自分がITパスポート試験のために勉強した内容の全てです。
過去問から受けることや、過去問の加工、テキストの一元化など、ITパスポートに限らず全ての試験勉強に使える勉強方法です。
ほなまたうっかるー!
ほなまたうかる!
①「図解でわかる 試験勉強のすごいコツ」(日本実業出版社、2022)
jiji2冊目の単著が発売されました!
私が各種試験を合格してきて体得した「試験勉強のコツ」を、全て図解付きで50個紹介しています。
私が考える究極の勉強方法を紹介しており、資格試験はもちろん、中高生の受験勉強にもお役立ちできるような内容になっています!
②「司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!」(中央経済社、2019)
jiji初の書籍です。
題名は司法試験・予備試験としていますが、全ての試験に共通する勉強方法が8割程度です。
ブログには敢えて書いていないクリティカルな勉強方法(スイッチバック法、暗記カード作成術、短答過去問加工法、論文完璧答案構成法)はこちらの書籍をご覧ください。