重要度:★★★★★
こんばんうかるー!
先日のツイート
さて先日、以下のようなツイートをしました。
✔︎過去問を中心に勉強する理由
・過去問で出た所は形を変えて何回でも出る
・今とゴールのギャップを確認
・試験委員がどのような考えで出題しているかを把握
・皆が過去問をやるため、過去問に出たところで失点すると致命傷に
・試験委員が本気で作ってるので、予備校答練より良質な問題— 弁護士公認会計士jijiたん Lv.53 (@jijijilijijiji) June 16, 2020
そう、過去問の重要性です。今日はこのツイートを少し深堀して解説していきましょう。
過去問を中心に勉強すべき理由
過去問を中心に勉強すべき理由を5つ紹介します。
①過去問で出た所は形を変えて何回でも出る
まず、あまり過去問を中心に勉強していない人が思う素直な疑問。
- え、過去問て一回出てるんだからもうでなくないですか?
- 過去問より予想問題集の方がよくないですか?
この質問はもっともな質問です。私も実は、公認会計士試験はこの考えでしたし、実際にこの考えで乗り切りました(会計士試験は過去問主義者にならなくてもいい理由は後述します)。
しかし、私が様々な試験を受け、合格してきた中で、結論はやはり「過去問は超重要」です。
上の疑問に対する答えは、過去問で出たところは形を変えて何回でも出る、です。
短答式試験でも論文式試験でも、毎年違う問題が出ているように見えて、実は何年かに一回同じような知識が問われています。
全く同じ形式ではないのですが、使う知識や考え方は同じ問題が出るのです。
これはなぜかというと、重要な知識や重要な考え方は、試験委員が求めているからです。
その試験の合格者と言えるためには、基礎的かつ重要な知識の理解を問わざるを得ません。
なので、重要なところは形を変えて何回でも出るべきだし、過去問を分析すればわかりますが、実際に出まくっています。
②今とゴールのギャップを確認
過去問を中心に勉強するべき大きな理由の一つは、今とゴールのギャップを確認することです。
勉強はただがむしゃらにすれば合格できるものではなく、常に合格との距離を意識して勉強する必要があります。
「合格との距離」の測り方のわかりやすい方法が、まさに過去問を解くことです。
過去問は過去に出た実際の問題です。そして、過去の受験生がどれくらいの出来だったのか、過去の受験生が何点取れば合格したのかは公表されていますよね。
なので、自分で過去問を解いてみて、全然解けないのか、はたまたある程度解けるのかを知り、今の自分の勉強の進捗を測るのです。
③試験委員がどのような考えで出題しているかを把握
過去問から、試験委員がどのような考えで出題しているかを把握することもできます。
司法試験や予備試験などはもろに出題趣旨や採点実感が公表されているので、まさに試験委員が何を求めて出題しているのかがわかります。
出題趣旨や採点実感が公表されない試験でも、過去問を実施に解くことで、出題傾向や試験員の好みを把握することができます。
「試験委員この知識ほんと好きねー」と思えたら、それは試験委員とうまく会話できているということです。
試験委員の考えを何となく把握できたら、普段の勉強に活かします。単にテキストを読んだり問題を解いたりするだけではなく、「あーここって試験委員好きだよねー」と思えれば、メリハリをつけた勉強が可能になります。
④皆が過去問をやるため、過去問に出たところで失点すると致命傷に
過去問を重視する実際上の理由がこれです。皆が過去問を解いているため、過去問に出たところで失点すると致命傷になること。
これは過去問を重視する受験生が多い試験でいえることですが、皆が過去問を解きまくってるので、皆過去問に詳しくなってしまうという現象です。
司法試験や予備試験では過去問をひたすら回転させている受験生も多く、過去問に出た問題は確実に正解できないと、それだけで差をつけられてしまうことがあります。
試験は絶対評価ではなく相対評価ですので、皆ができる問題を正解し、皆ができない問題は不正解でも構わない、という結論になります。
皆ができる問題、それは過去問に出た問題なので、それを落とさないようにするのが合格への近道ということになります。
⑤試験委員が本気で作ってるので、予備校答練より良質な問題
過去問は、試験委員が本気で作っています。
もちろん予備校答練も予備校講師が頑張って作っていますが(むしろ試験問題を作り慣れているという面もあります)、やはり年一の試験を試験委員が練りに練って作るのが本試験です。
試験委員はその分野を究めた専門家ですから、それはつまり、理屈的には実力を判断するために良質な問題ということができます。
たまに、形式を変えて受験生をびっくりさせることもありますが、それは悪いことではありません。
形式を変えつつ、試験委員が聞きたいことをわかっているかを聞いてくる。形式が変わるのは当然です。
予備校の答練よりも、本試験に実際に出た「生の問題」の分析をすることは非常に有用なことです。
過去問主義者になれ
以上が過去問を中心に勉強すべき5つの理由です。言いたいことは伝わりましたでしょうか。
過去問をひたすら回転し、分析し、実力をつけていく方針の人を俗に「過去問主義者」(カコモニスト)といいます。
カコモニスト(kakomonist)という言葉はたったいま私が思いついた言葉ですがw
司法試験などになると過去問をいかに分析しているかで合否が決まることもよくあり、いかに過去問が重要かがわかります。
ただ、過去問も単に回転すればいいという訳ではなく、やはり回転・分析の方法がものをいいます。
過去問の分析方法についてはまたいつかどこかで書こうと思いますが、とにかく過去問が大事!これは本当なので覚えておいてください。
試験によっては過去問主義者じゃなくてもいい
過去問過去問うるさい記事ですが、実は試験によっては過去問主義者にならなくてもいいものがあります。
①過去問主義者が少ない試験
例えば公認会計士試験。
正直いまはどうなっているのかわからないのですが、私が受験していたころ(2007年合格)は少なくとも過去問主義者でなくても合格していました。
というより、過去問主義者は周りに皆無でした。
理由は、上で書いたところで言うと「④皆が過去問をやるため、過去問に出たところで失点すると致命傷に」という点がないこと。
皆が過去問を回転させまくってくるので自分も回転するというのがセオリーではありますが、周りが解いていなければ解く重要性は格段に落ちます。
会計士試験は(特に論文は)、過去問というより予備校の答練を解きまくってくる方が多いので、むしろ重視するべきは過去問、という結論になります。
②過去問を解くまでもない試験
過去問を解くのはどの試験でも王道だといえますが、世の中の試験には過去問を「解くまでもない」試験があります。
どの試験と断言まではできませんが、合格率が高い試験、ないし難易度が高くはない試験については過去問まで解かなくてもいいものもあります。
そういった試験は、市販の問題集や予備校の予想問題などで実力をつければ合格できるものもあります。
なので、試験の種類、他の受験生の傾向を踏まえて、過去問主義でいいのかどうかは判断しましょう。
おわりに
今日は、過去問主義者、カコモニストについて紹介してきました。
過去問重視という点は勉強を進めるうえで大きな方針ですし、それを知るかどうかで全然合格しやすさが異なりますので、この記事は重要性★★★★★となっています。
ちょっと抽象的な記事でしたが、是非参考にしてくださいね。
ほなまたうかる!
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