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こんばんうかるー!
なんと我が子が生まれて今日で1か月。あっという間ですなー!日に日に大きくなっていってるのがわかって生命の神秘を感じます、jijiです。
司法試験ブロガーとの交流
今日は、司法試験、予備試験の憲法論文のコツを書いていきます。
というのも、昨日受験生ブロガーの「れみさん」という方と、その旦那様とzoom飲みをしました。れみさんのブログはこちら↓
「難関資格マニア」と自称されている通り、東大からの、国家公務員からの、LBS(ロンドンビジネススクール)からの、予備試験を目指している方です。
司法試験と予備試験の予備校を分析する記事をはじめ、国家公務員試験、MBA、宅建など、いろいろな資格に関する記事を書かれていますので、予備校選びに悩んだらまず見た方がいいと思います。
いやぁほんと綺麗なブログだ、自分も頑張らねば。
非常に綺麗なサイトなサイトなので、何を意識して、どんなツールを使って書いているのだろうと興味があり、私からZoom飲みに誘ってみました。
色々ブログについて教わりつつ、逆に私は予備試験や司法試験、二回試験、そして弁護士業界についてお教えしました。
互いに必要な情報交換をする、非常WIN-WINな会でした。
で、そこで私が質問されブログでも紹介してほしいとの要望もあったのが、今回紹介する憲法論文の書き方についてです。
憲法論文の私の成績
前置きが長くなりました。今日は司法試験・予備試験における憲法論文のコツを紹介します。
まず私の憲法論文の成績についてお伝えしておきます。
- 2014年予備試験→B
- 2015年司法試験→判定不明(行政法と併せて105点)
- 2016年司法試験→A
2015年の不合格時はまぁイマイチですが、2014予備試験と2016年司法試験はいずれもそこそこ良い成績かと思います。
私は、憲法論文が他の科目の論文に比べ得意でした。安定して点数をとることができました。
では、どのような考えで憲法論文と向き合っていたのでしょうか。
憲法論文のスタンス
他の科目もそうですが、私の司法試験・予備試験の勉強の基本スタンスは以下です。
超上位合格は狙わないけど、とにかく早く合格する。
このスタンスが顕著なのが憲法です。
憲法を勉強しているとわかると思いますが、憲法は重要な判例が多いです。
超上位合格する人は、問題文がどの判例を元にしてるかを見抜き→判例の規範を定立し→判例との違いを着目して事実評価をします。
これができれば文句なく上位合格者です。
でも、正直これはコスパが悪い。判例を研究するのは量も多いし、内容も高度だし、とても大変です。
なので、憲法に関しては特に、私は「いかに省エネな勉強でそこそこの得点をとるか」を考えていました。
以下のコツも、上位合格を目指すよりは、とにかく合格することを念頭に置いたコツなのでご注意ください。
【本題】憲法論文で、省エネでそこそこの点数を取るコツ
憲法論文において、「省エネでそこそこの点数を取るコツ」は以下です。
- 「型」を抑える
- 人権の選択は超慎重にする
- 違憲審査基準は大体の場合は「厳格」「中間」「緩やか」しか使わない
- あてはめで事実に対する評価をめっちゃ頑張る
- 統治が出たら趣旨から考えで現場思考
憲法論文はこの5点に尽きます。学者の先生や、超上位合格目標の方や、試験委員からは批判的な意見がでそうなコツですが、何と言われようがそれでそこそこの点が取れるんだから私はこれでいいと思っています。
それぞれ説明していきましょう。
①「型」を抑える
まずは「型」を抑えること。といっても、型があるのは人権問題のときなので、統治がでたら⑤で説明する通り、現場思考と割り切ります。
人権問題の型は簡単にいうと以下です。
★人権問題の型
・人権の設定
・人権が制約されていることの認定
・その制約が正当化されるかの判断
⑴違憲審査基準の定立
⑵あてはめ
ひねりのない、ベーシックな法令違憲の問題はこの型で解けます。
ひねりがあるときも、この型をベースに考えていけばある程度の得点が取れます。
具体的な書き方は皆様が使われている予備校や答練などで教わると思いますので、そこで学んでください。
②人権の選択は超慎重にする
憲法答案のスタートは人権の選択です。
「〇〇の権利」という部分を間違えると、その後の点数が全くつかないことさえあります。
なので、普段の勉強においてもむちゃくちゃ「どの人権の判例か」「どの人権の話をしてるのか」を意識します。
試験本番で多少時間をさいても、ここは絶対に外してはならないところです。
③違憲審査基準は大体の場合は「厳格」「中間」「緩やか」しか使わない
これが最も試験委員の先生などに嫌われそうなコツです。憲法を何もわかってない!などと怒られそうです。
上の型でいうところの違憲審査基準の定立のところの話です。色々な判例を駆使して、事案に即した規範を作るのが超上位合格答案ですが、正直それは難しすぎます。
どの判例だ?どの規範だ?と考えていると、時間もかかりますし、わかっていることを示そうとして規範の定立が長くなったりしがちです。そしてそのために膨大な時間が必要になりがちです。
なので、私は基本的に、この一番簡単で、(一番批判の多い)規範を使っていました。
最近は試験傾向も変わり、三者間比較ではない問題も出題されていますが、三者間比較であれば、原告「厳格」・被告「緩やか」・私見「中間」くらいで大体は書いていました。
超上位合格を目指すのでなければ、現在の司法試験受験生のレベルではこれで十分です。
④あてはめで事実に対する評価をめっちゃ頑張る
規範で点を取りにいかないなら何で点を取るかというと、それはあてはめです。
憲法はたくさんの事実が問題文に散りばめられています。散りばめられすぎていて、とても全ての事実を拾って評価できないレベルです。
そこで、拾えるだけ事実を拾って、自分の「素人感覚の」言葉で評価しまくります。
何か事実を拾ったら、素人評価でいいのでとにかく考えて、自分の言葉で評価する。これが非常に重要です。
超上位合格の方は、判例の事実評価の言葉をそのまま使って評価をしたりしますが、そこまでできなくても大丈夫です。
自分なりの言葉で事実を評価する、そしてとにかくたくさんの事実を拾います。
何の根拠もないイメージですが、規範定立までで点数の50%くらい、あてはめで点数の50%くらいと考えて、とにかく事実を拾いまくることで憲法は点が伸びます。
⑤統治が出たら趣旨から考えで現場思考
①~④は、憲法で人権の問題が出たときのコツです。
憲法の問題は人権か統治かの2択ですが、基本的には人権がでると考えていいので、①~④をまずは抑えましょう。
ただ、統治が出ることももちろんあります。統治が出た瞬間「諦める」みたいな受験生もいますが、それでまた一年勉強するのはあまりにも勿体ないです。
特に、予備試験論文は統治ががっつり出たりしますので、しっかり対策をしておくべきです。
論文で統治が出たときのコツ、それは趣旨から考えて問題に食らいつくことです。
正直統治の判例を論文で書けるレベルまで勉強している受験生はほぼいません。
なので、短答対策などで学んだ知識と、薄っぺらい論文の知識を組み合わせて、趣旨から考えてとにかく食らいつきます。
憲法の統治に限らず、よくわからない問題が出たときほど、初心に帰り、条文と趣旨から規範を導き、事実を自分なりに評価して結論をだす姿勢が重要となります。
憲法論文のコツをつかむ早道
以上のような憲法論文のコツをつかむ早道は、なんといっても問題慣れすることです。
どんなに知識をつけようとも、それを答案で表現できなければ意味がないです。
そして、上記のコツはとにかくあてはめに時間と分量を割くので、いかに規範までを短く・短時間で書けるかも重要になってきます。
そのため、憲法論文をたくさん書き、時間配分・分量調整に慣れる必要があります。
なので、憲法論文のコツをつかむための早道は、とにかく論文過去問や答練を解くことです。
おわりに
今日は、司法試験・予備試験の憲法のコツを書いてきました。
超上位合格まではできませんが、そして専門家からは批判がありそうな考えですが、受かれば官軍・落ちれば賊軍です。
憲法が苦手な方は、難しい理論に右往左往してしまっているだけの可能性がありますので、「事実評価ゲーム」くらいの感覚で挑むと良いと思います。
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