重要度:★★★☆☆
各試験が延期を発表する中、受験生がどう立ち向かう書いていきます。
各種試験の延期
新型コロナウィルスの現状
新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を奮ってます。
この記事を書いている現時点では以下のような状況です。
・7都府県は政府による緊急事態宣言
・7都府県以外にも独自で緊急事態宣言をする自治体
・増え続ける日本の感染者数
・発生し始めている病院内クラスター
・緊急事態宣言があった地域の裁判期日は一律延期
例に漏れず私も原則在宅ワークとなりまして、ご依頼者からの相談や書面作成などは基本的に家でやっております。
でも弁護士はある程度家でできるからいいけど、在宅にできない業種は本当に大変ですね・・・
各種試験の延期
新型コロナの影響で、各種試験の延期も続々と発表されています。
予備試験(短答)、司法試験、弁理士試験などは続々と延期を発表していますね。公認会計士試験も5月に短答があり、今のところは実施予定とのことですが(まじか)、状況は極めて流動的だと思います。国家公務員試験も延期のようです。
前代未聞の資格試験延期。延期したとしてもいつやるのか?延期なのか中止なのか?やったとして試験後のスケジュールはどうなるのか?などなど、受験生の不安は想像を絶します。
自分としても受験延期(中止)は体験したことはないのでなんとも言えないですが、「もし自分が今年の受験生だったらどうするか」という考えを書いてみようと思います。
コロナ勉:受験生がやるべきこと
受験生がやるべきこと、というよりは、自分が受験生だったらこのようなことをやるかな、というのを想像で書きます。
①無理やりプラス思考
まずはプラスに考えます。難しいとは思いますが、無理にでもプラスに考えます。
全受験生が一律で延期(中止)になるため、別に自分だけが不利になったわけではありません。
この機会に周りに差を付けられないよう(差を付けるよう)、当然、勉強し続けます。
予備試験や司法試験は5月に予定していた試験ですので、試験の1ヶ月ちょっと前に延期が発表されたことになります。つまり直前期に延期が発表されたわけです。
どんな受験生も、あと1ヶ月というところまで来ていたので焦りはあったはずです。
「あれとあれはやり切れなかったけど仕方ない、ラストスパートでやれることだけに注力しよう。」
そういう状態だったと思います。
このような状態から無理矢理にでもプラスに考え、「延期でよかった、よりレベルアップできる」と考える必要があります。
手が回らなかった部分もカバーできる、苦手分野の克服ができる、より一層の基礎固めができる。そのように無理にでも捉えざるをえません。
では具体的に何をするか。
②暗記ものを継続する
まず必ずやるべきことは、記憶が欠落しないように暗記ものを継続します。
具体的には、司法試験や予備試験であれば論証の記憶は継続します。私の場合、毎日暗記カードをもって散歩で音読をしていましたが(てく勉)、毎日の暗記カードぐるぐるは間違いなく継続します。これらは一日でもやらないとどんどん記憶が薄くなっていくので、試験日までやり続けます。
寝る前5分の暗記も継続します。試験実施日まで記憶のゴールデンタイムの回数が増えたと捉えます。
(記憶のゴールデンタイムについては⇒【記憶のゴールデンタイム】★★★★)
これらは、少なくともやっておくべきこと、つまり現状の能力を維持するためにやっておくべきこと、です。
③過去問も継続する
私の場合、司法試験の直前期は1日1問起案をノルマとしていました。こちらも継続します。
1か月先の試験日程にあわせて何を起案するかを決めていたので、その点は当初スケジュールとはズレることになります。予定通り過去問起案を進め、終わったら最新の年度のものから遡っていくか、古い年度のものから進めるかを決め、1日1通は起案を続けます。
過去問の起案というのはいくらやってもやりすぎということはありません。現状の能力維持という側面もありますが、解くたびに新たな「気付き」が得られるため、能力アップとも捉えられます。
もし「いやそうは言っても過去問分析は十分やったよ」という方は、100分に制限したり、90分に制限したり、時間制限をするのもいいと思います。時間的プレッシャーを与えることで「どこまで書くか」という選択をせざるを得なくなり、論点や事実の取捨選択を鍛えられます。
なお、論文に限らず、自分であれば短答の過去問も一日●問と決めて解き続けます。
④基本書、バイブルを読み返す
次に、基礎を固めなおします。自分であれば、バイブルにしていた基礎マスターテキストを一から読み返します。
ポイントは、新たなものには基本的に手を出さない、という点です。いままでやったものを、いままでどおり、読み返して知識を忘れないようにしつつ、新たな知識も入れていきます。
⑤飛ばしていた部分を理解し直す
暗記ものの継続、過去問起案の継続はマストです。これらを続けつつ、次にやるとしたら基礎固め、さらにそれが終われば、飛ばしていた部分を理解し直す作業です。
直前期になると、どうしても理解に時間がかかる+重要度が低い(出題確率が低い)などの理由で、それぞれ飛ばしている部分があると思います。
自分の場合はなぜか、民法短答の法定地上権の成立のところや、民法短答の連帯債務のところは何回読んでも理解できず、もういいや、と飛ばしていました。
この、飛ばしていた部分(切っていた部分、苦手部分)の克服に努めるのはアリです。
ただ、注意が必要なのは、その飛ばしていた部分はあくまで時間がかかる+重要度が低い、という認識で飛ばしているものであるので、依然として重要度は低いです。上で書いた暗記事項の記憶や過去問起案、基礎固めに比べると重要度は低い作業です。
⑥他の予備校基本書、他の予備校教材に手を出す
これは正直おすすめはしません。とにかく一元化しているバイブルを信じて、信じ切ってこそ合格が近づくからです。
ただ、本当にやることがなくなったら、他の教材に手を出すのはありです。どうしても自分が使っているものでは理解しにくいところを理解する目的で、気になっていた参考書などに手を出すのはありです。
また、他の予備校が実施した模試を入手し、解いてみるのはありです。予備校の模試は本試験の山アテ的な要素があること、それを他の予備校受験生も受けていることから、解いてみるのはありです。
おわりに:とにかく勉強は続けること
以上、自分が受験生でこの最悪の状態になったらどうするか、というのを書きました。
受験生の混乱は計り知れませんが、一つだけ言えることは、何度もしつこいですが「勉強を継続すること」です。
一日勉強しなければ三日戻ると思って、例え休みたい日であっても5分は絶対勉強しましょう。
どの受験生も状況は同じです。頑張って「コロナ勉」しましょう!合格後には「コロナの年で最悪だったけど、今となってはいい思い出だな」と思える日が必ずきます。頑張ってください!
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