重要度:★★★★☆
こんにちうかるー!
昨日は「すくパパ広場」に行ってきました。パパだけで支援センターに行って他のパパさんと戯れる。
いやー泣いた泣いた!計らずしもうちの子が一番目立っていましたw
予備試験に合格したのに司法試験に落ちた理由
先週、令和2年の予備試験論文が終わりましたね。
受けた皆様、本当にお疲れ様でした。
コロナの影響で令和3年の司法試験の日程がいつもどおり開催されるのか(5月)はよくわかりませんが、もし予定通り5月にやるとしたら、予備組はとにかく時間がありません。
私が受けたときの状況とは異なるかもしれませんが、今日は「予備試験に合格したのに司法試験に落ちた理由」と題して、自分が司法試験に落ちた理由を分析していきます。
「予備合格したのに司法試験落ちる奴ってなんなの?」と、当時の私も思っていました。
しかし、予備合格者の司法試験合格率は60~70%くらいですよね。
つまり予備試験に合格しても、その30~40%程度は司法試験に落ちるわけです。
この不名誉な30~40%に入ってしまわないように、この記事が予備合格者の元にとどけばと思います。
私の予備試験・司法試験の成績
まず前提として、私の予備試験と司法試験の順位を紹介しておきます。
2014年予備試験の結果(合格)
■論文式の成績
憲法 B
行政 C
民法 B
商法 A
民訴 D
刑法 A
刑訴 A
教養 C
実務 C
ーーーーーーーーーー
合計点:218.59点
結果:合格
順位:279位
2015年司法試験の結果(不合格)
・論文
公法系
105.11点
1,477位/5,308人(上位27.83%)
民事系
147.62点
2,120位/5,308人(上位39.94%)
刑事系
103.64点
1,690位/5,308人(上位31.84%)
労働法
44.93点
925位/1,615人(上位57.28%)
<論文合計>
401.33点
1,803位/5,308人(上位34.0%)
・短答
127点/175点
3,650位/7,279人(上位50.14%)
・総合評価
829.33点(=論文合計×14/8+短答合計)
1,941位/5,308人(上位36.6%)→不合格
・合格点など
合格点:835.0点以上
合格人数:1,850人(上位34.6%)
2016年司法試験の結果(合格)
・公法系
憲法A、行政法A
129.85点
332位(上位7.18%)
・民事系
民法A、商法A、民訴B
195.66点
383位(上位8.29%)
・刑事系
刑法D、刑訴C
107.04点
1,691位(上位36.59%)
・選択科目(労働法)
56.12点
364/1,346位(上位27.04%)
・論文合計
488.68点
450位
・短答加算後の最終結果
992.20点
470位(上位10.70%)→合格
まぁ、予備試験もこれといって良い成績ではなく、司法試験本試験も特段いい成績で合格したわけでもないですね。
予備試験に合格したのに司法試験に落ちた理由【6つ】
では本題です。
私が2014年の予備試験に合格したにもかかわらず、2015年の司法試験に不合格だった理由を考えてみます。
①気が緩んでいた
まず精神的に大きな原因はこれです。気が緩んでいた。
予備試験て難しい試験ですよね。
私が思う中で文系最難関の試験は、司法試験ではなく圧倒的に予備試験です。
そんな予備試験に目標年度で一発合格でき、正直「おれすごくね?司法試験なんて余裕じゃね?」と過信していました。
予備試験合格後に、アメブロで「私が試験に落ちない理由」みたいな記事も書いたことがあります。いや恥ずかしいw
しかしこれは単なるオゴリでした。よくなかった。
もちろん勉強はしっかりしていました。
予備試験の口述の発表日以降、司法試験受験まで月400時間はコンスタントに勉強していました。
でもなぜかそこには気の緩みがあったと思います。
②選択科目が間に合わなかった
勉強内容の面で言うと、選択科目(労働法)の勉強が間に合わなかったのは一つあります。
私は予備論文受験~予備論文合格発表までの3か月間ほど、あまり勉強をしていなかったのですが、労働法の基礎マスターだけ受けてメモリーツリーを作成しました。
ただ、あまりアウトプットなどはしていなかったので、本当に「一回インプットした」程度でした。
予備合格発表後に本格的に労働法の勉強を始めましたが、実際は他の基礎科目の勉強が忙しく、あまり手が回っていなかった感は否めません。
予備合格者にとって、いきなり一科目増えるのは結構な負担だったと言えます。
③問題の「質」の違いに対応しきれなかった
選択科目ではなく、基礎7科目(憲、行、民、商、民訴、刑、刑訴)についても学力が追い付きませんでした。
予備試験受験の時は司法試験の論文式試験は過去問を開いたこともなかったのですが、予備合格後に初めて解いた際、びっくりしました。
「予備論文と比べて難易度が全然違う」
初めて解いたのは憲法論文だったと記憶していますが、人生で最初で最後の「途中答案」を書きました。
まるで何を書いていいかもわからなかったですし、書き始めたら全く時間がない、という状況で、ズタボロでした。
その後司法試験の過去問分析を中心に勉強したのですが、やはり予備論文と司法試験論文とでは、質が全然違います。
具体的に違う点はいかでしょうか。
★予備論文と司法試験論文の違い
- 問題文が長い
- 拾うべき事実が多い
- 問われる知識の質が深い
- 判例の射程を理解する必要がある
ざっくりいうとこんな感じでしょうか。
イメージで言うと、甲子園球児がプロ野球に挑むような感じでしょうか(知らんけど)。
そのまま通用する人もいますが、大体はそのままは通用しないでプロ野球に徐々に順応していく感じですよね(知らんけど)。
④ロースクール生を舐めていた
あと、ロースクール生を舐めていたというのは正直あります。
「ロースクール生よりも予備合格者の方がデキるやろ!」と、なぜか思っていました。
しかし、ロースクール生はデキる人たちがたくさんいます。
もちろん母集団も大きいので正直残念なロースクール生もいることはいます。
でも上位ロー生などの多くはやはり学部生時代から法律を学んでいる人も多く、かなりの知識と実力を持っています。
そういうロースクール生がかなりの数いることを認識していていなかったかなと思います。
⑤出題趣旨・採点実感を軽視していた
出題趣旨・採点実感を軽視していたということも落ちた原因だと思います。
予備試験にもたしか出題趣旨は発表されますが、内容がスカスカで読んでも読まなくてもあまり変わりません。
他方で、司法試験の出題趣旨・採点実感はかなり熱く書かれています。
特に採点実感は、採点委員が受験生に対し「こんな受験生はダメ!」みたいな愚痴がたくさん書かれているので、非常に参考になります。
といっても、出題趣旨・採点実感は色々なことが書かれすぎているのでそれらを全部守る必要はないし、全部守ろうとすると効率が悪いです。
出題趣旨・採点実感をうまく「参考」にして、どのようなことを試験委員が求めているのかは知っておく必要があります。
この視点が私には足りず、出題趣旨・採点実感はほぼ読まずに本試験に挑んでしましました。
⑥型にはめすぎていた
細かいことをいうと、論文の「型」にはめすぎていたということも言えます。
IRACを守り、法的三段論法を守り、接続詞も固定するという、いわゆる「型」にはめて論文を書きすぎていました。
予備試験の論文はこの「型」を守れる受験生が少ないため、「型」にはめることでかなり点数が跳ねるのですが、司法試験は「型」にはめすぎるのは良くありません。
「型」を意識することは大事ですが、「型」にはめすぎるのでは司法試験に対応しきれないので注意が必要です。
予備合格者へのアドバイス
さて以上の6つが私の予備合格後、司法試験不合格だった理由です。
これらを受けて、過去の自分に、そしていまの予備試験合格者に向けたアドバイスをするならば、以下のとおりです。
★予備試験合格者へのアドバイス
- 浮かれるな。
- 選択科目をしっかり。
- 司法試験の形式に慣れよ。
- ロースクール生を舐めるな。
→予備に合格してもまだまだ先は長い
→選択科目も重要な1科目
→予備試験とは質が違う
→強いロースクール生もかなりの数いる
こんなところでしょうか。
なお、すごいピンポイントで言うと、個人的には行政法の難易度が予備試験と司法試験では大きく違うと感じました。
司法試験に落ちた年はやらなかったのですが、合格した年は、ロースクール生が皆読んでいると言われる以下の書籍をやり、かなり力が付いたと記憶しています。
他の科目は2年目も基本的には予備校本だけで対応したのですが、行政法はどうしても深い理解ができず、これを読みました。3回転くらいはした記憶です。
行政法について深く、しかし分かりやすく書かれていますし、何と言ってもロースクール生がほぼ全員読んでいると思われる名著ですので、行政法に不安がある方は余裕があれば読んでみてはいかがでしょうか(余裕があれば、です!)。
おわりに
今日は、「予備試験に合格したのに司法試験に落ちた理由」と題して、私が司法試験に不合格だった理由を書いてきました。
予備試験合格者は、間違いなく基礎力はあります。
そのため、しっかり勉強さえしなければ、いつか必ず司法試験に合格できます。
でも、予備試験に合格したのに司法試験に落ちる方は(自分も含め)結構います。
合格すると思っていたのにもかかわらず落ちるのは結構精神的にきついので、少しでもこの記事がお役に立てればと思い、解説してきました。
予備合格後~司法試験本試験は、とにかく時間がないので、やるべきことを絞って、頑張っていきましょう。
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