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4連休ですね!そこそこ仕事しなきゃいけないので気が休まりませんが、やはり連休はうれしいですね。スーパー銭湯行こう。
再現答案の使い方
今日は、司法試験、予備試験受験生を念頭に、再現答案の使い方を紹介していきます。
司法試験、予備試験以外の試験でも再現答案が入手できる場合は同じように使えると思いますが、あまり再現答案が出回っている試験てないイメージです。
では早速、再現答案について紹介していきましょう。
再現答案とは?
まずまだ受験を始めたばかりの人や、これから目指そうという方に向けて、再現答案とは何か?を説明していきましょう。
再現答案とは、本試験を受けた受験生が、試験後に書いた、自分の答案を再現したものです(そのままですが)。
司法試験業界では再現答案を書くようにと色々な人が言うので、もはや再現答案を書くのが一般的です。
再現答案は、以下のような目的から書きます。
★再現答案を書く目的
- 万が一自分が落ちたときに、敗因分析をするため
- 合格したとき、後輩や他の受験生に参考にしてもらうため
- 思い出づくり
- 予備校に買い取ってもらうため
こんなところでしょうか。予備校に買い取ってもらうため、というのは予備校によっては、再現答案を買い取ってくれる制度があるのです。5万円くらいで買い取ってくれたかな?ちょっとあまり覚えてないですが、応募して、採用されれば買い取ってもらえます。
このような理由から、再現答案を作る受験生が多いのです。もちろん私も作りました。
再現答案を使った勉強のテーマ
再現答案の具体的な使い方に入る前に、再現答案を使うときに意識すべきこと、「テーマ」を紹介しましょう。
再現答案を使うときのテーマは以下です。
- 合格者の「最大公約数」を探る
- 上位合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格の違いを探る
- 現実的な解答を探る
- 自分の好きな答案の流れを探る
それぞれ解説していきましょう。
①合格者の「最大公約数」を探る
まず最大の目標はこれです。合格者の「最大公約数」を探る。
ちょっと表現がわかりにくいかもしれませんが、要は合格者の共通点を探るということです。
再現答案は、1通だけではあまり意味がありません。少なくとも1つの問題につき10通くらいは用意したいところです。
10通くらい読んでみて、合格者の共通点を探ります。
- どの論点は絶対落としていないのか?
- どのくらいの分量を書いているのか?
- 結論はどっちになっているのか?
これらの視点で、共通点を探っていきます。
②上位合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格の違いを探る
次に、再現答案を読み、上位合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格の違いを探ること。
再現答案は10通くらい用意すると言いましたが、10通も成績がばらばらな方がいいです。10通中8通は合格答案、2通は不合格答案くらいがおすすめです。
これらの再現答案を読み、上位合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格の違いを探ります。
③現実的な解答を探る
再現答案の使い方でこれも重要なのが、現実的な解答を探ること。
過去問の解答例は各予備校が公表したり、書籍になったりしますが、それらの答案はいわゆる「完全解」です。
試験委員が求めていることをプロ集団がみんなで考え、全ての論点に回答する答案、なので完全解です。
しかし試験本番では完全解は書けません。分量的にも書けませんし、すべての正解を書ける人なんていません(1位の答案でも)。
もちろん完全解の分析は大事なのですが、再現答案をみて、現実的にはこれくらいの分量なのか、とか、現実的にはこの論点は書けなくても全然いいのか、というのを把握します。
④自分の好きな答案の流れを探る
最後に、これはちょっとおまけみたいなものですが、自分の好きな答案の流れを探ること。
何通も再現答案を読んでいると、「超カッコイイ」答案に出会うことがあります。
なんというか、いままでの自分の概念を覆す書き方というか、ほれぼれしてしまうというか、とにかく「超カッコイイ」。
こういった答案にであったら、その答案は一度写経し、コピーしていつでも見れるようにしておくのがおすすめです。
答案の書き方は十人十色なので、再現答案を分析することで自分が目指すべき書き方を学ぶことができるのです。
再現答案の使い方
具体的にどのように再現答案を使うのでしょうか。流れStepごとにみていきましょう。
Step1:再現答案の収集
まずは再現答案を収集します。
再現答案の収集方法はあとで紹介しますが、さきほど説明したとおり、目標は1問につき10人分、そして超上位合格・注意合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格、あたりを収集できるのが理想です。
また、そのためには合否のみならず、その科目の順位・評価がわかることも必要です。
Step2:過去問を起案する
次に、過去問を自分で起案します。
この時は答案構成ではなく、いわゆるフル起案するのが重要です。
理由は、答案構成だと実際に自分がどれくらいの分量を時間内に書けて、どの論点にどれだけの分量を割くのかがわかりにくいためです。
Step3:解説を読む・聴く
過去問を起案したら、普通に解説を読んだり、解説講義を聴いて、正解を把握します。
そして、自分の答案がどこができていて、どこができていないのかを探ります。
Step4:【重要】再現答案を「採点」する
ここからがザ・再現答案の使い方なのでして、そして個人的には面白い方法だと思うのですが、再現答案を「採点」します。
Step3で解説を読んでいるので、正解筋は把握できていますよね。
そしたら、再現答案に「○」とか「×」とか、「事実認定OK」とか、「規範が不正確」とか、あたかも自分が採点者になったかのように上から目線で再現答案を採点していきます。
これを何通かやるのがまさに再現答案を使う目的です。
採点した各再現答案を見比べて、合格者の「最大公約数」を探り、かつ、上位合格・ギリギリ合格・ギリギリ不合格の違いを探ることができます。
Step5:【重要】その問題の「肝」をメモに残す
最後に、再現答案の分析が済んだら、その問題の総括をします。
- ○○という要件の事実認定で差がついている
- ○○という論点を落としたらアウト
- 違法という結論にすると落ちる
- 設問4は捨て問
こういった、再現答案を分析した結果を箇条書きで過去問の解説あたりに書き残しておきます。
そうすることで、次回以降解くときに効率よくその問題を復習できますし、思考の整理をすることができます。
再現答案を使う場合の注意点
再現答案を使うときは1点だけ注意点があります。
それは、あくまで後日「再現」した答案であり、当日の現実答案よりは少し異なってしまうこと。
自分が実際に書いた答案は返却されないので、あくまで我々が見ることができるのは後日再現した答案です。
試験の翌日に書いた答案でも、どうしても記憶は薄れていきますので内容は少し本番とは異なってしまいます。
また、中にはかなり盛ってしまう答案もあります。わざとかわざとじゃないかはさておき、書けていないものも再現答案では書いてしまうことはあります。
なので、再現答案はあくまで「参考」くらいに考えてもいいかもしれません。
「こんな答案でも落ちるのか!」とかは断言しないようにしましょう。あくまで、合格者の最大公約数を探るための資料なのです。
再現答案の入手方法
以上が再現答案の使い方です。でも、実は再現答案てあまり世にでまわっていません。どこで再現答案を入手すればいいのでしょうか?代表的な入手方法は以下です。
①ロースクールなどで配られる
まずはロースクールによっては先輩方の再現答案集がまとめられ、配られるところがあるようです。
私はロースクールに行っていないためよくわかりませんが、○○法科大学院の再現答案集というものを見たことがあります。
②ネットで落ちているのを集める
ローに行っていない場合などは、無料で揃えるとしたらネットで調べる方法もあります。
ネットにはいろいろな受験生が再現答案をアップしているので、それをひたすら検索する方法です。
かなり疲れますが、無料なのがメリットです。
③予備校講義をとる
予備校講座で、過去問分析講座があります。
単なる過去問分析講座というよりは、「再現答案分析講座」みたいな講座をやっている予備校があります。
ちょっと金額高いですが、講師が解説もしてくれますので、お金さえあればこれが一番いい方法だと思います。
④市販の再現答案集を買う
最後に、市販の再現答案集を買うこともできます。例えばこういうやつです。
予備校講義よりはリーズナブルなので、現実的にはこれらを買う感じでしょうか。
⑤(おまけ)jiji再現答案
おまけとして、私の再現答案は独自で販売しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
おわりに
今日は再現答案の使い方について解説してきました。
ただ何となく再現答案を読んでいてはだめです。
上で書いたような「テーマ」を持つのが重要です。
「再現答案を採点する」という方法は私独自の方法なのであまり皆さんやっていないかもしれませんが、とてもお勧めなので是非お試しください。
皆さんの合格答案がいつか再現答案集になりますように!
ほなまた!
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