重要度:★★★☆☆
今日はゴロ合わせについて書いていきます。勉強を進めるうえでは必須の方法ですので、メリットデメリットを考え有効に使っていきましょう。
誰もが知る勉強法
ゴロ合わせは誰もが一度はやったことがある勉強方法だと思います。そうです、頭文字だけ取ったりして暗記していくあれです。
ところで、ゴロ合わせって正式な定義はなんなんでしょう。一応以下のような定義になるらしい。
語呂合わせ(ごろあわせ)は、ある文字に他の音や他の意味を重ねることによって行う、言葉遊びあるいは何らかの情報を覚えるとき、または覚えてもらう時などに用いる手法
出展:Wikipedia
なるほどー、「ある文字に他の音や他の意味を重ねる」。確かに言われてみればその通りですねw
勉強においてゴロ合わせはやはり効果的です。以下見ていきましょう。
ゴロ合わせのメリット
暗記がはかどる
メリットはやはり暗記がはかどる点です。
ゴロ合わせで覚えた言葉を記憶のとっかかりとして、そこから記憶を呼び覚ます。アウトプットの補助になります。そのままでは覚えにくい難しい知識・言葉も、ゴロ合わせを使うとサクッと覚えることができます。
受験時代に覚えた知識って受験が終わるとすぐ忘れてしまうのが通常ですが、ゴロ合わせで覚えていたものは実務に出ても意外と覚えていたりもします。
勉強が楽しくなる
ゴロ合わせを考えるのって楽しい要素があります。何か面白い(うまい)語呂を作れた時は他人に教えてあげたくなったりもします。
ゴロ合わせのデメリット
ゴロを思い出せないとアウト
デメリットはゴロ合わせを思い出せないとその先の知識も呼び覚ますことが難しい点です。あーここゴロで覚えたけど、そもそもゴロが思い出せない!という状態になると壊滅的です。
ゴロ=”所詮”暗記
自分が常日頃言っていますが、「理解無き暗記は有害無益」です。
ゴロ合わせは結局のところ「言葉の暗記」なので、理解が伴いません。ゴロ合わせを作りまくって暗記した気分になるのは、実際に論文で聞かれてその用語しか答えることができず内容の薄い答案になってしまうことなどもあり、注意が必要です。
ゴロ合わせを使う場面
資格試験の場合、主に以下の場面でゴロ合わせを使います。
①短答プロパー知識
まずは短答プロパー知識です。
民法で言えば有名なのは以下のようなものがあります。
一般先取特権の種類4つは?【答】
共益費用、雇用関係、葬式費用、日用品の4つ。【ゴロ】
きょう、こ、そう、にちよう(今日こそ日曜)(一般の先取特権)
第306条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給
これは司法試験受験生にとっては非常に有名なゴロ合わせです。私は伊藤塾の伊藤真塾長に教わりました。
正直、一般先取特権の種類なんて論文では聞かれません(聞かれたとしても条文を見ればわかります)。短答で出る可能性も高くはありません。
このような、短答知識として「知るだけでいい」知識は、何か頑張って覚えるよりも、ゴロ合わせでサクッと覚えてそれで終わりです。
②論文の規範
続いて、論文においても規範の暗記などでゴロ合わせを利用するのは有効です。例えば以下です。
被害者により違法性が阻却されるかどうか?【答】
①個人的法益、②承諾能力、③行為時に存在、④外部に表明、⑤承諾があることを認識、⑥社会的相当性これに加え、⑥社会的相当性については下位規範として㋐傷害の部位・程度、㋑行為の態様、㋒動機・目的【ゴロ】
①~⑥:こ、の、こ、が、に、しゃー(この子蟹シャー)
㋐~㋒:ぶ・て、た、と・も(ぶてたとも)
こちらの論点は刑法では有名な論点で、意外とそのまま論文でも出題されるもので重要です。当然、理由付けや理論的な理解は必要なので別途勉強する必要はありますが、「この子蟹シャー!」「ぶてたとも」という2ワードを思い出すだけで、基本的には論文を書き進めることができます。
なお、このゴロはjijiが考え出したゴロです(あまりセンスないw)。
③試験に問われないけど知っておくべき事項
最後は、試験に直接問われることはないけど、勉強を進めるうえで知っておくべき知識もゴロで覚えておくと便利です。
例えば、予備試験・司法試験の受験生の場合、「民法の典型契約13個」って即答できますか?
また、公認会計士受験生の場合、「所得税の種類10個」って即答できますか?
自分は以下のようなゴロで覚えました。
<民法の典型契約>
【問】
民法の典型契約13個は?
【答】
贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借契約、雇用、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解
【ゴロ】
ぞ、う、こ、し、し、ち、こ、う、い、き、く、し、わ(ぞうこししち行為キック、皺)
<会計士>
【問】
所得税の種類10個は?
【答】
利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡、一時、雑
【ゴロ】
り、はい、ふ、じ、きゅう、たい、さん、じょう、い、ざ(りはい富士急対3乗、いざ)
いずれもまじでテキトウなゴロ合わせなので意味は不明です。でも、これを3日くらい口ずさんでいると勝手に覚えられます。
これらは正直テストでそのまま問われることはないですが、試験を受けるうえでは当然知っておくべき事項です。ゴロで覚えておくと、試験でアイデアがでてこないときなどに思い出すとヒントとなることもあります。
こういうのは真正面から覚えるのではなく、ゴロ合わせでサクッと覚えてしまいましょう。
効果的なゴロの作り方
以上から見てわかるように、正直自分はあまりうまいゴロを作るのが得意ではありません。でも、ゴロ合わせを作るコツはいくつかあります。
情景を思い浮かべる(イメージ)
まずは情景を思い浮かべられることが大事です。これは、覚えやすさもありますし、ゴロを思い出すきっかけにもなります。
例えば上で紹介した例では、「この子蟹シャー!」というのは、子蟹をツンツンしていたら「シャー」といわれたのをイメージしています。
下ネタを駆使する
上では出てきていませんが(というか出していませんがw)、下ネタは覚えやすい代表例ですので、下ネタのゴロを作れる方は是非下ネタを作りましょう。
下ネタの他にも、グロい系や痛い系も記憶に残りやすいです。
「何個」というのまで覚える
上で例示したものをみて気づかれたかもしれませんが、ゴロ合わせは「個数」と一緒に覚えると効果的です。
「民法の典型契約13個は?」や「所得税の種類10個は?」などです。
自分の場合は頭文字だけを繋いで無理やりゴロを作ることが多いのですが、それが何個だったのかを覚えておくと、ゴロが思い出しやすくなりました。
ひたすら復唱する
どんなゴロでもいいので、ある程度良い感じのリズムのものが作れたら、あとはひたすら念仏のように唱えます。
ぶつぶつ喋るのもよし、壁に貼るもよしです。自分の場合はテキストや暗記カードにもゴロを書いていました。
一度作ったゴロをひたすら信じ、覚えていきましょう。
おわりに
今日は誰もが知るゴロ合わせについて書きました。
ゴロ合わせはあくまで「暗記の補助」です。理解が伴うものではないので何でもかんでもゴロ合わせというのはお勧めしませんが、記憶しやすいことは間違いないので、どんどん使っていきましょう!
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